たなべ診療所 -SAKP-

  • たなべ診療所
    2010.7.30

    このプロジェクトは、水野が 普段とても良くしていただいているNさんから依頼され、水野、穂積、三谷の3人で関わったプロジェクトです。 内容は「開業医として独立を決意し、大きな病院では難しい真心こもった医療という理想を実現する、若いお医者さんの診療所の設計をお願いしたい。」ということでした。 お声掛けいただいた時点では、プロジェクトは既にある程度進んでおり、着工までの スケジュールも差し迫った中での依頼でしたので、ご協力は難しいかと思っていました。 しかし 大きな組織の中で、自分の理想と現実のギャップに挑み、より良い医療を提供しようとするクライアントの思いに共感し 、水野、穂積、三谷の3人で設計、施工管理をすることになりました。 詳細は、「いえつく」としてブログにはできませんでしたが、2010年夏、無事竣工を迎えましたので、いえつくOther Worksとして 写真と簡単な概要を掲載いたします。

写真

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  • 建築概要

    -内部-
    「地域の老人や子供が集う集会所のような待合を設けたい」がクライアントの一番の要望でした。 八ヶ岳を臨むスペースに薪ストーブと和室のある、大きな待合スペースをとり、多くの患者さんが集うことのできる場としました。待合は3面に大きな窓を設け、八ヶ岳を臨む西側の窓は全開した時に扉を収納することができます。南側はアプローチに面し来院者との顔合わせができる大きな窓、北は祠のある岩山が一望できる大きな窓となっています。 東西に渡って計画された廊下は、屋根形状を活かした二層分の高天井で、柔らかな間接照明で演出し、東側突当りには坪庭を臨む窓が設けてあります。 上部には熱抜きの窓を設け、西側の掃き出し窓を開放することにより無動力の自然換気の可能な計画としています 平面計画はクライアントの気に入っている北側の岩山を望む位置に事務室、診察室、処置検査室をレイアウトし、将来増築スペースも見込んだ拡張性ある計画となっています。

    -外部-
    建築の外観はシンプルな切妻屋根で、約1.8mの深い軒によって 軒下にアプローチ、車寄せ、雨宿り(雪よけ)空間を設け、 深い軒は、夏は南側直射を遮り、冬は待合和室の一段下がった縁側空間に腰掛けると足元に陽が当たるようになっています。 外壁は通気工法を採用し、建物全体が空気の衣を一枚まとうことで建物の断熱性能を確保し、仕上げには杉板外押縁を採用し、影が織りなす深みのある表情となっています。 外構計画は佐久穂の自然をもとに素朴な植裁計画を「未来風景舎」にお願いしました。